小ネタ

リクエストが来ると嬉しいものです。
一日に二本作成は苦しいので、取り合えず一本書き上げました。
明日は少し日記が書けないかもしれませんが、近日中にはもう一本仕上げます。


本日、二月十四日、世間一般で言う所のバレンタインデーであるが…
私立東ヶ丘高校地下三階、通称強制労働所にて働くポチことムス=モアスにとっては無縁の話の筈であった。
彼は今日も一日朝の六時に起き(起きようが起きまいが六時には例のスイッチが入れられる)
既に校長室とは名ばかりとなった神楽坂舞の私室の掃除を行う事が日課となっていた。
奴隷同然である彼のひそかな楽しみは、神楽坂舞が校長室に訪れる僅かな時間を利用してテレビを観賞する事であった。


ムス「何々……今日は世間一般でバレンタインデーと言う日で…」
  「女性が男性に対してチョコレートを送る風習らしいな」
  「食べた事は無いが…美味いのだろうか」
  「もっとも…食べる機会も無いだろうし、あの女が私にくれるとは思いがたいな」
舞「あの女って?」
ムス「私の頭に妙なものをつけて、毎日の如く私をこき使う酷い女性の事だ」
舞「ほうほう……」
ムス「…………………(ハッ!!)」
舞「ポ・チ、おはようッ!!」


カチリ


ムス「のあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
合掌、ムス=モアス、強烈なオシオキを喰らい意識を失う
舞「少し早くに来て見たら、掃除はサボっているしテレビは見ているわ」
 「おまけに私の悪口を本人の前で堂々と言うとわね…何を考えているのかしら」
 「………成る程、偶にはガス抜きも必要かもしれないか」


放課後……


ムス「うぅ……朝方から弄られるとはついていない一日だ」
舞「ポチ、起きた?」
ムス「は、はひ、起きています!!」
舞「私、少し考えたんだけど貴方はそれなりに働いているのだから偶には感謝しようと思ったの」
ムス「……(どういう風の吹き回しだ?)」
舞「それで今日はバレンタインデーだから私がチョコレートをあげるわ」
ムス「………」
舞「どうかしたの?」
ムス「毒でも…入っているのですか」
舞「オシオキして欲しいの?」
ムス「滅相もありません、有難く頂戴いたします」

さて、舞から渡されたチョコレートは……何故か緑色
チョコレートの種類によっては白色もあるものの……何故でしょうか?

ムス「…普通、黒か茶色では?」
舞「私の特製のチョコレートだから特別な色になっているのよ」
 「それより、食べるの食べないの?」
ムス「いえ食べます食べます」




パクリ




ムス「……………」
舞「どう、高麗人参入りチョコレート美味しいかしら?」
ムス「…(ハッキリ言って不味い、しかしここで美味いと言わなければそれはそれで死が待っているッ!!)」
  「初めて食べますが、中々美味いものです」
舞「そう。それなら良かったわ。まだまだあるから全部食べてね
ムス「………喜んで、食べます」
舞「(これである程度はガス抜きが出来たかしらね)」
 「(ポチで毒見は済んだから、後で他の生徒にも配ろうかしら)」




その日、このような地方ニュースが放送された。
本日私立東ヶ丘高校から多数の男子学生が病院へと搬送された。
男子生徒は全員青白い顔であり、腹痛、頭痛の症状を訴えているが
皆どこか満足げな笑みを浮かべていた。
何らかの食物を食べた事が原因のようであるが、未だ成分は解析できていない。
警察では引き続き事件の原因を調査中である。




そういう訳で久々の小ネタでした。
ドリル戦記のキャラを使った小ネタは初めてですがどうだったでしょうか?
改めて見直すと…舞が主役でムス(ポチ)の影が相当薄い気がします。


蛇足…DK2のリクエストは少し難しいかもしれません。
極力要望には沿う形でお応えしたいとは思っています。
弱音を吐いた理由としては
もう数話でメインキャラがほぼ登場する予定なので登場後の方が亮絡みの小ネタの面白みが増すと思いますし
由里は(一応)ヒロイン候補の予定ですので…完結記念辺りの方がしっくり来るような気もします。