シナリオ感想

『死神遊戯』1〜5話

アン武様初の等身大シナリオ。
既に各所でレビューされていますので
出遅れた感じ+気が引けるものの、気にせず突貫。
例によって乱文気味なのはご了承を。


概要
交通事故で死亡した「僕」は死後の世界で
転生後のより良い人生を歩む為に善行ポイントが必要だと知る。
生前の行いに対応して与えられるポイントがマイナス域に達している「僕」は
天使ツカコの提案する生者を殺してポイントを稼ぐ死神遊戯に身を投じる。



1話
死後の世界で死神遊戯の仕組みを知り、参加意思を固めた「僕」。
天使ツカコ監督の下、戦う術、己を変身させる能力を身を以って知る。
力に酔いしれた後、力無き生者を殺す事に迷いが生じ情けを見せるが
逆に命を狙われる結果に。



2話
二回目の死神遊戯、相手は暴力団であり初回ほど罪悪感を感じずに
遊戯を開始するものの、組長の娘による無謀な敵討ちに心が乱される。
その隙を見計らって死神シルバーラインが娘を殺しポイントを奪い去る。
圧倒的力量の差があり、そのまま殺されてポイントを奪われて終わりかと思われたが
現状ポイントがマイナスである事から命を救われる。


3話
生前の「僕」の惨めな過去が描かれ、一個人として
死亡時の場所へと赴くものの、唯一の友人であった正樹と出会う。
正樹が席を外した後、正樹を殺すか否かの選択に迷う最中に白墨会なる宗教団体に
所属する今井が声を掛け、死神と敵対する組織だと判明、必然的に戦いを強いられる。
一体多数の戦闘で苦しむ最中、初めての死神遊戯で対峙した藤崎が助太刀に入り、
協力して今井を退ける。


4話
親友であった筈の正樹から語られる交通事故の真相。
更に正樹が復讐の為に白墨会に参加し、己の体を改造した事実も明かされる。
ツカコを人質に取られ、一対一の決闘を行うも無残に敗れ、単身逃げる「僕」。
意志の強さに関しては、間違いなく正樹の方が上であると実感。


5話
流れ着いた先は自分の生家であったが、既に居場所は無く
家でも学校でも存在価値が無かった「僕」。
失意の中で家に安らぎを求めるも、母親が白墨会に身柄を売った事実を知り
突き放された絶望から能力に覚醒する。
母を殺し、文字通り常軌を逸脱した「僕」の描写が印象的でした。


戦闘
SP使用前提でプレイすると良い難易度でした。
それでも配分間違えて3話の今井氏に虐殺される憂き目を味わいましたがorz。


全体の感想
細かい演出面(トラック衝突、写真が燃える等)も秀逸でありますが、
個人的には登場人物の心情描写(モノローグ)を抑えている点に加え
死神遊戯の目的がシンプルであり、範囲が狭い(舞台が現代・敵が白墨会と明確)ので
エングライフェンよりも受け入れ易かったと思います。


又、屈折した人生と言うか、生前の悲惨な毎日の描写が生々しいと感じる反面
5話での一線を越えた「僕」の行動がある種、突き抜ける爽快感とも見えました。
「僕」がひたすら駄目な人間である反面、藤崎氏が復讐の動機や生前必死で足掻く姿が
素敵に思えた自分は歪んでいるのかもしれません。




駄考察
「僕」の善行ポイントがマイナスにまで達している辺りに非常に疑問が。
生前空気的扱いであったからマイナス、と言うのもどうも腑に落ちないというか
限りなく拡大解釈するならばパシリも一応役に立っている気はしますし。
やはり真子を交通事故から救った件(※実際には巻き込んで殺した模様)が響いている気が。
嫌な言い方ですが、厄介者とも見える「僕」に対して損得勘定抜きで
世話を見てくれた真子は相当善行ポイントが高いでしょうし、巻き込んで殺した為「僕」の
ポイントがマイナスになったのではと仮説が。


勝手な深読みですが、逐一「僕」に世話を焼くツカコの意図は何なのかと。
番号を間違えずに呼んだり、食事の世話をしたりやらと。
同じタイミングで死んだ真子は一足先に転生したのかどうなのか、「僕」本人よりも
気になったりしています。



おまけ

ヤクザの娘


深い意味はありませぬ。
現在登場した人物の中で二番目位にポイントが高そうでしたので。
似ていない、別人、顔が変などのご意見は甘んじて受け入れます。
並べなければ、それなりに見え……ませんねorz。
まだまだ鍛錬不足です。